サロンへ行け!マジで。

こちらは遊んだゲームや読んだ本・漫画などの感想や妄想を書き散らす、趣味のブログです。今の主なジャンルはドラクエです。

1主と女賢者

※女賢者に嫌われた?と動揺する1主と、子孫のため珍しく頑張る3主の話。
話の筋とは直接関係ないのにやたらと8についての記述が多いのは、このネタを書いた時期が8をクリアした後だったからです。


1主「なあ、ご先祖。なんで俺だけ賢者さん達との個人的絡みがないんだろう」
3主「何だよ、急に。単に縁がないってだけじゃねえ?別に問題ないだろ」
1主「ちょ、縁がないって…。そういう言われ方もなんだか嫌だな。
少なくとも女賢者に関しては、実は俺のご先祖だったという確率だって一兆分の一ぐらいは無きにしもあらず、だろ?」
3主「随分とまた低い確率だなあ。おい」
1主「なのに、だ!子孫達は生き返らせてもらったりお泊まりしたりで絡みがあるのに、俺だけ個人的にないのは納得できん!」
3主「珍しいな。おまえにしちゃやけにゴネるじゃん」
1主「ぶっちゃけ仲間外れみたいでやなんだよ。頼むよご先祖!何とかしてくれよ」
3主「わーかった、わかった。おまえがそこまで言うならなんとかしてやるよ。
(ピッピッ プルル…)男賢者?ああ、俺。
今から1主とそっち行くからさ。うん。なんか美味いもんでも用意しといて」


3主「よう。久しぶりだな」
1主「失礼します」
男賢者「やあ、二人ともよく来たね。1主君、少し早いが33周年おめでとう」
1主「いや、はは。なんか照れるな。ありがとう」
3主「こいつがどうしてもおまえ等に会いたいって言うもんだからさ」
男賢者「それはそれは。勇者に望んで訪ってもらえるとは光栄だ。さあ、掛けて。
今お茶でも出すよ」
3主「あれ?女賢者は?」
男賢者「出かけてるよ」
3主「何だよそれ。間が悪いな~。どこ行ったんだよ」
男賢者「ダーマに所用があってね。さっき出ていった」
1主「擦れ違いか」
3主「どうする?取りあえず男賢者には会えたんだ。これで目的の半分は済んだ訳だが」
1主「あのな、ご先祖。顔を合わせりゃいいってもんじゃないんだが…。
でもわざわざこっちまで来たからな。もちろん女賢者にも会っていくよ」
3主「OK。いいだろ。ダーマに行こうぜ」
男賢者「おやおや。
今来たばかりなのにお茶も飲まずにもう行くつもりかい?忙しないことだね」
3主「悪い。また後でもらうわ」
1主「どたばたしてすまない。また寄せてもらうことにするよ」


1主「へえ。ここがダーマ神殿か。辺鄙な所にある割りには人多いな」
3主「この世界で唯一の転職できる特別な場所だからな」
1主「それで、女賢者はどこにいるんだ?」
3主「お、いたぞ。あそこだ。女賢者!」
女賢者「3主?」
1主「あ、ホントだ。女賢者さん…」
女賢者「……!ルーラ!」
1主「あ!!」
3主「おいっ!!」

1主「……なあ、ご先祖」
3主「……ん?」
1主「今、明らかに俺の顔見て逃げたよな?」
3主「ああ、そう見えたな……」

 

男賢者「女賢者が逃げた?」
3主「1主の顔見るなりルーラだぜ。おまえ何か心当たりないか?」
1主「なあ、男賢者!俺って女賢者に嫌われてる?嫌われてる?!」
男賢者「いや、そんな涙目で見ないでくれないか。そんなことはないと思うよ」
3主「んじゃ何でだよ。1主と女賢者なんてほとんど絡みもないのに訳わからん!」
1主「やっぱ俺が女賢者と親しくしてはならない秘密があるんじゃないか?」
さっきは冗談で言ってが本当に俺の先祖だったとか……」
3主「ハハハ、まさか!そりゃねーだろ!…………どうなんだよ、男賢者?」
男賢者「その可能性も阿僧祇(あそうぎ)分の一ぐらいの確率ならないこともないだろうね」
3主「…あそ……??何だって?」
男賢者「阿僧祇というのはだね、数の単位で10の56乗、また一説によると64乗。
或いは仏教では数えきれない程の大きな数のことだね」
3主「そんなイヤミな知識ひけらかしてないで、普通に不可能に近いと言えよ」
1主「それじゃ何で女賢者は俺を見て逃げたんだ?」
3主「まったく訳がわからん。が、このままでは引き下がれん。そうだな、1主」
1主「ああ。このまま帰ってもモヤモヤが残るだけだからな」
3主「男賢者にも心当たりがないとなると、ここは直接女賢者に聞くしかないだろ」
1主「彼女はどこに行ったんだ?」
3主「ルーラで行けるところなのは確実だが……」
男賢者「占い師なら一人紹介しようか?」
ルイネロ「ルイネロだ」
3主「うお?!こりゃまた濃そうなオッサンだな」
ルイネロ「人の顔見ていきなり濃そうとはなんだ。失礼なやつだ」
男賢者「腕は確かだよ。8主君の保証付き。トラペッタでも高名な占い師だ」
ルイネロ「占うなら相応の報酬をもらうぞ。それでもいいか?」
3主「頼む。実は…」
ルイネロ「皆まで言うな。おまえ達が聞きたいことはこの水晶が教えてくれる……
むむ。見えるぞ。大きな神殿だ。たった一人で勇気を試す場所……」
3主「ランシールだ!!ありがとうよ、オッサン!行くぞ1主!ルーラ!」
ルイネロ「やれやれ、せっかちな奴等だ。結局報酬も払わずに行きおった」
男賢者「申し訳ない。昔から臨戦態勢に入ると人の言うことは聞かなくてね」
ルイネロ「8主はもう少しぼーっとしたところがあったが…。勇者もいろいろということか」


3主「よし、着いたぞ。ランシールだ」
1主「しかし、ご先祖。どうやって捕まえるんだ。またルーラで逃げられるんじゃないか?」
3主「任せとけ。策はある」
1主「……あ!いたぞ、ご先祖!」
女賢者「あら。こんな所まで追って来るなんて案外しつこいわね。ルー…」
3主「そうは行くか!マホトーン!」
女賢者「あらら…。呪文を封じられちゃった」
3主「よっしゃ!成功!!念のためにしあわせのくつ履いといてよかったぜ。
今だ!行け、1主!!」
1主「女賢者、待ってくれ!」
女賢者「チェックメイトか。しょうがないな~。せっかく買ったんだけど……」
1主「え!!消えた?!」
3主「レムオル?!いやでも呪文は使えないはず…そうか!!きえさり草だ!
ここはランシールだったな。ちっ。抜かったぜ」
1主「……結局、また逃げられたのか?」
3主「そういうことだな。にしても……」
1主「……何故だ?何故ああまでして俺を避けるんだ??」
3主「わざわざ道具まで使って逃げるとはな。一体どういう了見だ、女賢者のヤツ」
1主「なあ、ご先祖!俺何か女賢者さんに悪いことしたか?!」
3主「うろたえるな1主。とにかく一度男賢者のところへ戻るぞ」


1主「…………。」
男賢者「1主君は相当気落ちしているようだね」
3主「そりゃま、ああも露骨に自分の顔見て逃げられたんじゃなー。
おまえ女賢者が行きそうな場所心当たりないか?」
男賢者「諦める気はないんだ」
3主「あったり前だろ。こうなりゃこっちも意地だ。絶対に捕まえて
一体全体俺の子孫のどこが気に入らないのか嫌というほど問い糾してくれる」
男賢者「これはもうある意味彼女流の慈悲の現れなんじゃないかと思うけどね…」
3主「はるばる訪ねて来た相手から逃げ回ることがか?どんな慈悲だよ。1主があんなに落ち込んでんのに」
1主「orz」
男賢者「まあ、どうしてもと言うなら協力しないでもないが……」
1主「本当か?!」
3主「お、復活したな」
1主「頼む!男賢者!どうしても避けられてる理由を知りたいんだ!
このままじゃ俺、気になって気になって何も手に付かない!!」
男賢者「結果どうなっても後悔しないと誓えるかい?」
1主「もちろんだ!ロトの血と精霊ルビスに誓って二言はない!
たとえその後女賢者にザキられようが、竜王ゾーマとシドーから一度にボコられようが悔いはない!!」
3主「よく言った!それでこそ勇者!俺の子孫!!」
男賢者「…………いいだろう。女賢者はこの季節夕刻になると必ず泉に沐浴しに行く。君達は彼女が泉に浸かっている間に脱いである服を隠すんだ」

1主「そ、それは……」
3主「おまえ……。案外やらしいこと考えつくな」
男賢者「これはジパング等に古から伝わる由緒正しき女性の攻略法のひとつなんだけどね」
3主「ちぇ。おまえが言うと何でももっともらしく聞こえるからいいよな」
男賢者「普通に泉に近づいても先に勘付かれて逃げられるだけだろうから、これを渡しておこう」
1主「これは……?」
3主「きえさり草と……こっちの粉は何だ?なんかすげー変な臭いがするぞ」
男賢者「8主君から譲ってもらったトカゲのエキスだ。口には入れないように。念のためそれで人間臭さを誤魔化す」
3主「うげっ…。どうりで変な臭いだと思ったぜ……」
男賢者「沐浴中は気配に敏感になる。二つともなるべく遠くから使っておくことだ。それから3主、君はこれを鼻に詰めておきたまえ」
3主「なんだこりゃ?脱脂綿??」
男賢者「興奮して鼻血でも垂らそうものならにおいで忽ち気付かれてしまうからね」
3主「……あのな。だが、もらっとく」
1主「いろいろすまない、男賢者。恩に着るぜ」
男賢者「健闘を祈るよ」

 

3主「(よし…!あともう少し……)」
1主「(ちょ…、ご先祖、鼻血!垂れてきてる!)」
女賢者「?!」
3主「おっしゃあ!!服ゲットだぜ!!どうだ女賢者!今度こそ逃げられまい!!」
女賢者「あらら。とうとうこんなところまで来ちゃったのね…」
1主「すまない、女賢者。こんな覗きのようなまねをして」
女賢者「1主君…。あなたこんなことして一体どういうことになるかわかってるの?」
1主「女賢者の怒りに触れることは百も承知してる。しかし…」
女賢者「だから、あたしじゃなくって」
1主「え?」
(プルルルル…プルルルル…)
1主「!!!!」
3主「ローラフォン来たーーーーーーーッ!!」
女賢者「ほらね」


男賢者「女賢者、タオル。着る物はここに置いておくよ」
女賢者「ありがと。……って言うべきなのかしら、この場合。
あの二人に入れ知恵したのあなたでしょ」
男賢者「ご明察」

1主「ロ、ローラ?え、今どこかって?今はちょっと女賢者と……え?
水の音が聞こえる?ち、違うから!誤解だから!!ちょ…ま、いいえ!!」

女賢者「もう、しょうがない人ね。最初からこうなるってわかってたから敢て心を鬼にして1主とは必要以上に関りあいにならないようにしてたのに」
男賢者「面目ない。途中から君の意図するところはわかったんだが、
1主君があまりにも気落ちしているものだからなんだか見るに忍びなくてねえ。
是非会ってみたいと思う相手に訳もなく避けられるっていうのも結構辛いよ?」
女賢者「ふうん。嫉妬深い恋人に悩まされるよりも?」

1主「いいえ!!いいえッ!!いいえッッ!!!誤解だ!絶対に違うから!!
あ、ご先祖!ご先祖からもローラに説明してやってくれ!」
3主「あ、いや。俺は鼻血も出てることだし、このまま帰るわ。ルーラ」
1主「あっ!ちょ、ご先祖っ!!逃げるなーッ!!」

男賢者「まあ、確かにね……。この目の前の修羅場を見ていると
さすがに自分の判断が正しかったのかどうか自信が持てなくなるよ」

1主「え、何、ローラ?そんなひどい?…そんなひどい!!」